DJとは何なのでしょうか?DJとはディスクジョッキーの略で歴史的観点からみるとうんたらかんたら・・・というのは書くつもりはありませんw(そう言ったウンチクが知りたい方は私なんかよりも俄然詳しい方が説明してくれているサイトがあるのでそちらをどうぞ)

DJとは?と言っても昔と今ではDJに対する考え方もかなり変わって来ています。

CDJもPCDJも無かった時代のDJ

ターンテーブルを使ったDJというのはかなりハードルが高かったです。

ターンテーブル

まず針が飛ばないように頭出しをするだけでも練習が必要でしたし、曲同士のBPMを合わせるのも自分の耳だけが頼りでした(BPMカウンターなんてもちろんオートでBPMが合うなんてありえない時代です)

さらにはターンテーブルはデジタルではないので完全にピッチをあわせたつもりでもロングミックスをしていると徐々にずれていきますのでターンテーブルの芯を抑えたりレコードの端を触ったりしながら微調整をするなどある意味職人技的なDJの技術が必要でした。

ですが当時は今のようにインターネットで気軽にDJのやり方を調べることもできませんでしたし、書籍などの数も少なかったのでそのやり方を教えてくれる人を探すかクラブに遊びに行ってDJブースの横に噛り付いて技を盗むしか方法がなかったんです。

木村コウさんのBPMの合わせ方に衝撃を受ける

当時私もよくDJブースの横に噛り付いていましたが一番衝撃を受けたのは木村コウさんのテクニックでした。

とにかくBPMをあわせる速度が半端じゃなく早いんです、次に掛けるレコードをターンテーブルに乗せて普通はレコードの端を触ったりしながら合わせるのですが、木村コウさんはピッチフェーダーだけウニョウニョと上下させて5秒も掛からずにBPMを合わせすぐにミックスしていく姿は本当にカッコよかったです。

ちなみに私も家に帰ってさっそく真似してみましたが、全くできませんでしたw

レコードは値が張る

また曲を集めるのもレコードの場合一苦労です。

新譜のレコードの場合1曲(正確には表と裏で2曲)買うのに1000円以上掛かかります。

お気に入りの曲を100曲そろえるだけでも単純計算で10万円というお金が吹っ飛んで行くことになりますw

デジタルリリースではないのでレコードの生産量も限られています。

人気の曲やカッコいい曲のレコードはすぐに売り切れてしまうので手に入れることすらできないことが多々あり、その後プレミアがついて何倍、何十倍なんて事も・・・

ファッション感覚でDJは出来なかった

なので当時は今のようにファッション感覚でDJというはとても出来るものではありませんでした。

ただ曲をミックスするというだけでもプロとアマでは歴然の差があったのも当時の特徴です。

ただ2曲を繋ぐだけでも大変な時代でもジェフミルズの様に3台や4台のターンテーブルを使ってそれを同時にミックスするという神業をやってのけたDJもいます。

CDJ時代のDJ

その後、CDJの時代がやってきました。それによってターンテーブルのように針が飛ぶだとかBPMがずれるという事が殆どなくなりました。

それでもやはりBPMを合わせるというのはある程度の練習の必要がありましたしターンテーブルに比べると少し楽になったかな?程度でした。

それが後にCDJにBPMカウンターが搭載されたことによりBPMまで一目でわかる様になり、現在では曲の波形まで出るようになったのでかなりハードルは下がりました。

CDJ-2000-nexus

ターンテーブルでDJを始めた人はCDJを見て「あの血のにじむような練習はなんだったんだ・・・」と思っている方も多いと思いますw

PCDJの登場

その後、更に衝撃的な時代が訪れました。それはPCDJの登場です。

まずBPMを自力で合わせる必要が無くなったというのが何よりも衝撃的でした。ボタン一つで二つの曲のBPMがオートで合うのを見たときの衝撃は忘れられません。

このPCDJの登場によって一気にDJというものの概念が変わりました。

それまで何ヶ月も掛かって練習しなければいけなかったBPMを合わせるという技術が全く必要なくなってしまったのです。

今でも昔からDJをしてきた人はPCDJは認めないといっている人が多くいます。

私も最初はそう思っていましたが、今となってはPCDJの時代が来たことは素晴らしい事だとおもいます。

なぜなら今までBPMを合わせていた時間を使って他の事ができますしセンスが良ければ誰でもDJが出来るようになったからです。

ですがやはりBPMを合わせる時間が必要なくなった分、その時間を使って煙草を吸ってみたり両手を振りかざしてみたり・・・というDJはちょっとないな~と思ってしまいます。

リッチーホゥティンはtraktorというソフトを使い同時に4つの曲を流しながら曲一部分だけをループさせたりエフェクトを掛けたりしながら新しい曲をDJ中に作り出してしまっています。

traktor

これは出来ないジャンルもありますから何ともいえませんが次世代のDJにはどうせならPCDJでしか出来ない新しいDJのスタイルを見せてもらえたらなと思います。

現在のDJの価値

ここまでDJが簡単に出来るようになった時代に、私はわざわざクラブに出向きお金を払ってまでビートポートのTOP10に入っている曲をただ繋ぐだけのDJを聞きたいとは思いません。

DJたるもの誰も知らないような曲で踊らせて何ぼではないでしょうか?DJが手軽になった現在ヒット曲をかけるだけなら小学生でも出来ますから。

DJなら技術で勝負するか選曲であっと驚かせて欲しい物です。